冬虫夏草は古代中国から皇帝・貴族の間で用いられてきました。
もともとは1400年ごろのチベットから伝わったものだと言われています。そのころから薬書では「体力を回復させ、すべての身体機能を整える作用があり、副作用がない効能の宝庫」と記されており重宝とされてきました。
しかし中国の冬虫夏草は、チベット3000m高山にしか生息しない”コウモリガ“に寄生したものしか採れないため、希少性が高く市場にあまり出回らないのが現状です。
日本で冬虫夏草の名前が話題になったのは、
1993年にドイツで開かれた世界陸上選手権、中国の女子陸上選手団・馬軍団が世界の強豪相手にメダルを勝ち取り、世界新記録を次々と排出。
同年スペインで開かれたワールドカップのマラソン競技でも、再び馬軍団がトップを独占しました。
その馬軍団が冬虫夏草が配合された疲労回復ドリンクを摂取していたことがわかり、大きく話題になったのです。
トレーニングの一環として摂取していたその疲労回復ドリンクは、肺機能を高め耐久性が増強されるほか、赤血球を増加させて運動能力を高める効果があることから、冬虫夏草の名が日本で知られるようになりました。
このように歴史的にも古く、また実際に選手団がトレーニングに冬虫夏草を取れ入れるなど、様々な効能がある冬虫夏草ですが、一体どのような成分が入っているのでしょうか?
冬虫夏草の成分
冬虫夏草には十数種類のアミノ酸、粗繊維、炭水化物、脂肪、カルシュウム、鉄、亜鉛、マンガン等の微量栄養素が15種類確認されています。
他にもがん予防やがん抑制に効くと言われている、βグルカン、血流を改善し、狭心症や心筋梗塞などに効果があるマンニトール、サナギタケ冬虫夏草にしか確認されていない成分、コルジセピンなどがあります。
そのほかにも、体力回復に効果があると言われている成分をご紹介致します。
SOD”活性酸素除去酵素”
老化や生活習慣病に一因となると言われている活性酸素というものがあります。活性酸素は体内に取り込んだ酵素から作成されます。
もともと活性酸素はウイルスや細菌から防御してくれる働きを持っていますが増えすぎると体内の細胞を傷つけ癌や老化の原因になってしまうといわれています。
活性酸素が増えてしまう原因は、ストレスや喫煙、また過度に身体を酷使することです。
人の身体にとって適度な運動や身体を動かすことはもちろん健康に良いのですが、運動頻度や運動強度が多くなると、それだけ大量の酵素を取り込むため取り込んだ分だけ体内で発生する活性酸素が増えてしまうのです。
しかし、人の身体にはその活性酸素を除去するSODという酵素を持っています。
そして冬虫夏草にもその活性酸素を除去するSODが豊富に含まれているため、疲労回復・アンチエイジングに効果があると言われています。
メラトニン
睡眠ホルモンと呼ばれ、眠りを誘い体内時計を正常にする働きがあります。
時差ボケや不眠症に効果があると言われています。
睡眠はストレスと密接な関係があるため、冬虫夏草を摂取すると寝つきが良くなったりよく眠れるようになるといった報告があるのはメラトニンが含まれているためです。
トリプトファン
冬虫夏草に含まれる必須アミノ酸のひとつトリプトファンはセロトニンといわれる神経伝達物質の材料です。
セロトニンは人間の精神状態に深くかかわっていて、「幸せホルモン」と呼ばれています。
セロトニンが不足すると精神病にかかりやすいと言われています。
トリプトファンの他にも、セロトニンの材料となるチロシン、セロトニンの働きを助けるビタミンB1なども含まれていて
冬虫夏草は精神を安定させる効果があることがわかっています。